アジアの最新ドローン事情 IoT、人工知能と融合するドローン

2017.1.19

「ドローン元年」と呼ばれた2015年は、DJI社のPhantomを筆頭に手動で飛ばす空撮ドローンが市場を賑わせた年となったが、2016年はどのような年になるのだろうか。
消費者向けでは、Zerotech社のDOBBYやYuneec社のBreezeなど小型の「セルフィードローン」がトレンドの1つとなりつつある。

進むIoDとは

一方、産業領域でも大きな潮流が生まれている。それは「インターネット・オブ・ドローン(IoD)」だ。
ドローンは手動で飛ばすものから、ネットにつながり自動で飛行しながらさまざまなアプリケーションを実行できるデバイスに進化している。

そのIoDトレンドの一端を2016年9月1、2日にシンガポールで開催されたドローンイベント「The Commercial UAV Show Asia 2016」のレポートを交えて紹介したい。

アジアのドローントレンド

UAV Show Asiaはアジアだけでなく世界中からドローン関連企業が出展する域内最大級のドローンイベントだ。

今年はIoTイベント「IoT Show Asia」が同じスペース内で開催されていたことからも、UAVとIoTが不可分の関係として認識され始めていることが分かる。

消費者向けドローンの展示では、最大手と言われるDJI社の出展がなく、Autel RoboticsやYuneec社など競合企業がスペースの大部分を占めていたことも昨年からの変化だ。

Image titleイベント会場で飛行スペースまで準備したAutel社とYuneec社

Autel Roboticsは、DJI社の人気空撮ドローン「Phantom4」や「Phantom3」と同様のスペックでありながらより低価格な空撮ドローンを開発・販売している。

1年前であればDJI社がほぼ一人勝ち状態だった市場だが、Autel Roboticsなどの競合出現で多様化が進んでいると言っていいだろう。

Image titleAutel社のX-Star Premium 4K動画の撮影が可能 価格は約1000ドル

Yuneec社は空撮ドローンだけでなく、新たなに発表した小型セルフィードローン「Breeze」を展示し、注目を集めていた。
このほどZerotech社が「DOBBY」を販売開始したことにより注目を集めだしたセルフィードローン。日本よりもセルフィー文化が浸透している中国や東南アジアでは、セルフィードローン人気が爆発する可能性が非常に大きい。

Image titleYuneec社の小型セルフィードローン「Breeze」4K動画が撮影可能 価格は約500ドル

セルフィードローンは高性能プロセッサが搭載されており、室内で正確に飛行できるだけでなく、ソーシャルメディアとの連携も可能であるため「空飛ぶスマホ」とも呼ばれている。

本格的にネットワークにつながりセルフィー以外の機能が使えるようになるのは時間の問題だ。今後の進化に注目したい。

「IoD」に進化するドローン

消費者向けではセルフィードローンというトレンドが生まれつつあるなかで、産業向けではネットワークに繋がったドローン(IoD)の本格的な実用化が目前に迫っている。

ドローンステーションから自動で飛び立ち、データ収集し、充電が必要になるとステーションに戻り充電し、また自動で飛び立っていくという、ほとんどひとが介在しないシステム。UAV Show Asia 2016で、この近未来システムが披露された。
これを披露したのは、2015年に設立されたシンガポール企業H3 Dynamics社だ。

同社が開発した「DRONEBOX」は、ドローンの発着、充電、データ処理を全自動で行うことができるステーション。

Image titleH3 Dynamics社の全自動ドローンステーション「DRONEBOX」

同社のCEOワンクウィッツ氏はDRONEBOXについて、「火星探査機のドローンバージョンとしてデザインしたもので、全自動のデータ収集と処理を行うことができます。農業、インフラ点検、石油・ガス関連設備の点検などに投入することで、コストと時間を大幅に削減できます」と説明する。


近未来のドローンの姿を見ることのできるDRONEBOXのコンセプト動画 

また同社がこのほど、Intel社主導のIoT業界アライアンス「Intel® Internet of Things Solutions Alliance」に参加したことを明らかにし、今後ネットワーク化されたドローン、そしてDRONEBOXを通じたデータ分析機能を強化すると語った。

Image titleH3 Dynamics社が目指すIoDのコンセプト図

同社は、ドローン(IoD)だけでなく、多様なロボットをネットワークに繋ぎ、それらが収集したデータを人工知能で解析することも視野に入れているようだ。

シンガポールは国をあげて「スマート国家」の構築を進めており、同社がDRONEBOXを普及させる機会は今後増えていくだろう。
IoTや人工知能の領域とクロスし始め、急速に進化しているドローン。進化の速度はもっと速くなりそうだ。

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SG

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