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脳をハックし自分のパフォーマンスを管理するウェアラブル端末「Thync」

ささいなことで落ち込んだり、自分でも理由はわからないが仕事に向かえなくなってしまったり・・・ 「メンタルヘルス」はどこか掴みどころがないように感じられる人もいるのでは?

しかし、これからはテクノロジーを駆使して自分の心の状態を正確に把握し、かつ目的やシチュエーションに応じて、操れるようになるかもしれない。

脳のはたらきを活発化・リラックスさせる信号を送信

Thync」は、自分のメンタルの状態を分単位でコントロールすることを可能にするウェアラブルデバイス。

Thyncの白い三角形のモジュールを頭にストラップで装着し、専用のスマートフォンアプリで脳のはたらきを活発化させる「Energy Vibe」、もしくはリラックスさせる「Calm Vibe」を選ぶと、各信号が脳の神経経路に送られる仕組み。

例えば、ジムに行く前や大勢の人の前で話すときなどはEnergy Vibeで脳を活性化させ、仕事から帰宅しすばやく眠りに入りたいとき、もしくは上手く寝付けなかったり、寝ている最中に何度も起きてしまう人はCalm Vibeで脳をクールダウンさせればいい。

効果は30分から1時間、有効。従来のアナログな方法でセルフコントロールし、フラストレーションを最小限に抑えようとすると、どうしてもメンタルに起伏が生まれてしまうのに対し、Thyncならそれを一定に保つ効果が期待できるのが売り。

その効果と安全性は、ハーバード大学、スタンフォード大学、MIT、アリゾナ州立大学の神経科学者やエンジニアらによって実証済み。ローンチ前に実施された82名のボランティア被験者を対象とした実験では、被験者の97%についてリラックス効果が確認されたという。

「ケミカルフリーなエスプレッソかグラスワインのようなもの」

頭に装着するものの、家などでも普段使いできるようシンプルにデザインされている。Webサイトでは職場、通勤中での使用も推奨されているが、それはやや無理があるかもしれない。モジュールやストラップは軽量なため、持ち運びにはまったく問題ない。

価格は、ThyncのWebサイトで299ドル(約32000円)で購入可能。決して安くはないが、使用して30日間効果を感じなかったユーザーには全額が返金されるキャンペーンを実施している。また、1ドル(約100円)でトライアルできるパッケージも用意されている。

アメリカ以外の国へ届けてほしい場合は、アマゾンで購入する必要がある。

Thync社創業者の二人。左がCEOのイシー・ゴールドワッサー氏Thync社創業者の二人。左がCEOのイシー・ゴールドワッサー氏

開発元はアメリカ・シリコンバレー拠点でデバイスと同名のThync社。CEOのイシー・ゴールドワッサー氏とアリゾナ州立大学の教授によって2011年に設立された企業で、デバイスは2015年6月にローンチされた。

イシー氏はThyncを、「ケミカルフリーなエスプレッソかグラスワインのようなもの」と表現。脳科学とエンジニアリングを融合させ、人びとが自分の能力にアクセスし、無制限に引き出せるようにすることを自社のミッションとして掲げる。

同社によれば、人びとのエネルギーやリラックスを増進する製品・サービスの市場規模は、全世界で4000億ドル(約42兆円)。最近の市場調査によれば、アメリカのエナジードリンク市場は125億ドル(約1兆3000億円)。Thyncはこの市場を獲りに行きたい考えだ。

これまで掴みどころがないように感じられていた「メンタルヘルス」も、テクノロジーを駆使すれば自由自在にコントロールできる時代が来るかもしれない。


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