第4回 ドローン空撮クリエイター「大前創希」の空撮講座 編集編

2017.1.19

飛行申請から機体の確認事項などをお伝えした第2回「空撮準備編」、そして現場でのティップスを紹介した第3回「空撮本番編」に続く最終回は「ポストプロダクション編」。

4K空撮動画の編集に最適なシステム

ー連載最終回ということで、今回は空撮後の編集プロセスで知っておきたいティップスを伺いたいと思います。

空撮後のポストプロダクションに関して、編集マシンなどシステム周りのことと編集テクニックに分けて話をするのがいいですね。

ーなるほど。4Kの空撮動画を編集するには、それなりのマシンスペックが必要になりますからね。システム周りはどのような点に気をつけるべきでしょうか。

ハイスペックでなくても4K動画の編集はできるけど、恐ろしく時間がかかってしまうから、マシンスペックには気を使った方がいいと思いますね。

もともとiMac 2012年版を使ってたんだけど、それだと4K動画の編集が難しくなってきて、半年前くらいにiMac Retina 5Kを買ったんですよ。

ー4K動画編集のために。

そう。あとマシンスペックも重要だけど、ストレージにも気を使う方がいいですね。

ーストレージに関して、具体的にどのようなところに気をつけるべきですか。

ストレージの最適化で映像編集のスピードと安全性を高めることができるのですが、私がオススメするのは、編集ではデータストレージをRAID5の構成にすることですね。

ーRAIDとは、いくつかのハードディスクドライブ(HDD)をまとめて、1つの大きなHDDとして使うというものですよね。

そうです。RAID5というのはRAID構成の1つで、ほかにRAID0とかRAID1とかあるんだけど、RAID5は3枚以上のHDDを組み合わせて1つの大きなストレージ領域を作りだすんですよ。

ーRAID5にするメリットとは。

私は8TBのHDDを4台使ってRAID5を構成しているんですけど、HDDが1台壊れても稼働するということと、複数ドライブから同時並行してデータ処理ができること、つまり安全性とスピードを兼ね備えた構成といえるんです。

ーなるほど。編集用ストレージは全体で32TBということですね。

編集中ってレンダリングとかでいろんなファイルが生成されるじゃないですか。
4K空撮だと1プロジェクト30GBくらいのデータが、編集中に600GBくらいに膨れ上がるときもあるんですよ。

ー本格的な4K空撮動画の編集では、外付けHDD1台では足りないということですね。

RAIDじゃないと4K動画の編集で十分なスピードはでないです。USB3か、Macであればサンダーボルトで繋ぐことも重要ですね。

ーRAID構成でどのHDDがオススメですか。

ウェスタンデジタルの「My Book Pro」シリーズがよいですね。

ーなるほど。データ保存について気をつけることは。

編集用ストレージはRAID5がオススメといったけど、データ保存にはRAID6にするのがよいですね。
RAID6は最低4台のHDDで構成していて、HDDが2台同時に壊れてもまだ動くから、安全性が高かまるんですよ。
HDDが増える分処理速度が落ちるので、編集向きではないんです。

ー保存用は別にストレージ領域を作るわけですね。

そうですね。私はRAID6で計12TBの領域を作って、そこに保存するようにしています。
バックアップも必ず確保するようにしますね。

一見手間だけど、データが消えしまうと二度と戻ってこないわけだから、これくらいは最低限必要なことと思います。

ー空撮動画の編集では、どのソフトウェアを使用していますか。

私はファイナルカット・プロを使ってます。シンプルで使いやすいですよ。

ーなるほど。ファイナルカットはiMac Retina 5Kと相性がいいと聞きます。WindowsユーザーであればAdobeのプレミアプロなどですね。

空撮動画の編集テクニック

ー2月に行われたデジタルハリウッド主催の空撮コンテストで準グランプリとなった作品「TAKEHARA」、そして6月11日に撮影された竹棚田の火祭りを例に空撮映像の編集ティップスを教えてほしいです。



TAKEHARA from enzosan on Vimeo.


東峰村(火祭りバージョン) from enzosan on Vimeo.

うーん。秘密をばらしちゃうことになりますが、仕方ないですね(笑)私が編集でまず行うのは、音楽を探すこと。
有料のものでもいいですが、Youtubeなどでクレジットなしで使用できる音楽を探すのもいいですね。

ー音楽の長さはどれくらいがいいですか。

場合によりますが、2〜3分くらいが飽きさせない長さだと思います。
音楽を決めたら、編集ソフトにインポートして、きりのいいところ、たとえば4小節単位でマーキングします。そこにトランジションを挿入。

このように大枠を作って、そこに映像クリップを入れていきます。最初はランダムに映像を入れていって、どのパターンが音楽とフィットするのか確認します。

ークリップ挿入で気をつけることはありますか。

多くのひとは長いクリップを入れてしまいがちですが、基本10秒未満と考えたほうがいいですね。

ー同じシーンを10秒以上見ていると飽きてきますからね。

そうそう。短いものをテンポよく、音楽に合わせて、というのが大事ですね。

ーたしかに「TAKEHARA」や「東峰村(火祭りバージョン)」は、テンポよくて見ていて飽きないですね。

次回の空撮映像コンテストに向けても動き出していて、もっとよい作品を作りたいと思ってます。

ー次回はグランプリを狙う。

そうですね。次回はグランプリを狙いたいですね。

ー次回の空撮コンテストではどのような作品が出来上がってくるのか非常に楽しみですね。

第1回から4回に渡ってお届けしてきた大前創希の空撮講座。
空撮の準備から、本番、そしてポストプロダクションまでさまざまなティップスを紹介してきた。
一通り読めばあなたの空撮スキルは必ずアップするはずだ。ぜひドローンを手にとって空撮の醍醐味を堪能してほしい。

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全4回連載 ドローン空撮クリエイター「大前創希」の空撮講座 ポスプロ編(最終回)

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