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シンガポール・ドローンレース 優勝は11歳インドネシアのスーパーマリオ

3月27日、シンガポールのマリーナ地区で開催されたドローンレース「FutureMe Aerial Race」でインドネシアから参加した11歳のAxel Marioさんが接戦を制し見事優勝を飾った。

優勝したインドネシアの11歳Axel Marioさん優勝したインドネシアの11歳Axel Marioさん

2位はマレーシア・ペナン島出身のAdzlanさん、3位は同じくマレーシアのHuzaifahさんと、インドネシア、マレーシア勢がレベルの高さを見せつけた。

2位となったマレーシア・ペナン島出身のAdzlanさん2位となったマレーシア・ペナン島出身のAdzlanさん

開催地シンガポールからは13人、マレーシアから7人、インドネシアから2人、ブルネイから5人、日本から2人、ベトナム、オーストラリア、英国からぞれぞれ1人ずつと、8カ国32人のパイロットが参加し、シンガポールらしく国際色豊かな大会となった。

日本から参加したのは、慶應大学ドローンレースチーム「KART」のパイロット高宮悠太郎さん、そして筆者の計2人。

高宮さんは、準々決勝まで勝ち残り見事6位入賞と健闘。筆者も予選を勝ち残りトップ16に入ることができた。

6位入賞の賞品を受け取る慶應ドローンチーム「KART」の高宮さん(中央)6位入賞の賞品を受け取る慶應ドローンチーム「KART」の高宮さん(中央)

コースは、マリーナ湾に浮かぶサッカー場を利用して造られたもの。カーブが多くかなりテクニカルなコースで、完走率はそれほど高くなかった。ただ、準決勝、決勝と進むにつれパイロットのレベルも高くなり、加速・減速のバランスをうまくとりながら、好タイムでラップを刻んでいった。

レースはマリーナ・ベイ・サンズ近くの The Float@Marina Bayで開催されたレースはマリーナ・ベイ・サンズ近くの The Float@Marina Bayで開催された

予選は、3周中のベストラップを取り32人中トップ16を決めるとい形式で行われた。ベスト16が出そろうと、4人一組で準々決勝1が4レース行われ、各レースのトップ2が次の準々決勝2に進出。準々決勝2では、4人一組で2レース行われ、同じく各レースのトップ2が準決勝に進出。そして、準決勝のトップ2が決勝で優勝を競った。

決勝は、インドネシアのMarioさんとマレーシアのAdzranの一騎打ち。両者のレベルは拮抗しており、お互い抜きつ抜かれつのデッドヒートは観戦者を興奮させた。最終ラップでAdzranさんがMarioさんを抜き、そのまま優勝するかに思えたが、ゴール直前でMarioさんが抜き返しわずかの差で優勝をもぎ取った。

優勝したMarioさんは、ドローンレースを始めてまだ1年ほどだ。普段は学校があるので、土日しか練習できないという。そんななかでも優勝する実力を養えたのはかなりの素質をもっているからもしれない。

大会スポンサーとなったHQ prop代理店Sky Hobby Singaporeが新しい6枚プロペラを公開 機体はAstroX 230大会スポンサーとなったHQ prop代理店Sky Hobby Singaporeが新しい6枚プロペラを公開 機体はAstroX 230

東南アジアの眠れる実力者たち

筆者はドバイのドローンレース世界大会で優勝した15歳Luke Baninsterさんの操縦を間近で見たが、Marioさんや準優勝のAdzlanさんの操縦レベルはLukeさんに劣らないものだと感じた。

彼らがドバイ大会に出場していれば、結果を残したはず。「なぜドバイ大会に出場しなかったのか」という質問に、Marioさんは「ドバイ大会のことを知ったのが登録・映像選考期限が過ぎたあとだった」と答えた。インドネシアやマレーシアでは、ドバイ大会の情報がしっかり行き渡っていなかったのが背景にあるようだ。

ドバイで行われた「World Drone Prix」は、シリーズ化される方向で話が進んでいるようで、今後アジアや欧州で開催される可能性がある。

もしMarioさんやAdzlanさんなど東南アジアの実力者たちが出場すれば、World Drone Prixは前回以上に盛り上がることは間違いない。

実際、インドネシアのドローンレースリーグ「Aerial GP Indonesia」では、Marioさんに勝ったパイロットがいるとのこと。また、タイやマレーシアでも多くの実力者がいるらしく、東南アジアのドローンレース・パイロットたちが大規模な国際大会で活躍する日もそう遠くはないはずだ。

ドローンレース盛り上がるアジア、日本はついていけるか

筆者は、ドバイのドローンレース(Freestyle部門)、そして今回のレースに出場して、中国、韓国に加え、シンガポール、インドネシア、マレーシアと、アジアのドローンレースの盛り上がりを肌で感じている。

筆者のレースドローン AstroX 210筆者のレースドローン AstroX 210

一方、日本では規制が足かせになってドローンレースだけなく、ドローン全般の認知が進んでないような印象を受ける。

ドローンレースは、ドローン操縦技術の向上だけでなく、ドローンの各パーツがどのように組み合わさり、どのように機能するのかという知識を習得できる機会でもある。さらにはドローンの可能性を感じることができる機会でもある。

ドローンを一つの産業として盛り上げるためには、ドローンに対し情熱を持った人材を育成するのがカギとなるが、ドローンを簡単に飛ばすことができない環境では、そのような人材が育つのは難しいのではないだろうか。

シンガポールは各高校にドローンクラブがあると言われるほどで、ドローン人材の裾野はかなり広い。ドローンレースだけなく、政府主催で中・高生を対象にしたドローンを製作する大会も頻繁に開催されており、ドローンの認知はかなり進んでいる。

またシンガポールでは、5月からドローンレースリーグが開幕する予定だ。インドネシア、マレーシア、ブルネイ、タイ、ベトナムなどを巻き込んで、東南アジアのドローンレースシーンはこれからさらに盛り上がることになるだろう。

ブルネイのAk Mohdさんは、自分でデザインしたフレーム「Rival FPV Racer」でレースに参加したブルネイのAk Mohdさんは、自分でデザインしたフレーム「Rival FPV Racer」でレースに参加した

Catalyst読者には、今回のような大会にどんどん出場し、海外でのドローンレースの盛り上がりを肌で感じてほしい。

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