衣食住が全て無料になる世界-シンギュラリティ-#05

2017.1.19

人工知能の進化で市場経済がなくなる可能性に触れた第4回。
第5回となる今回は、市場経済が崩れ去ったあとに来る社会について議論したい。前提が大きく変わろうとしている今、持っている常識を捨て、新しい社会でどのように生きていくのかを深く考えるタイミングが来ているのだ。

衣食住が全てフリーになる世界

齊藤 元章(以下:齊藤):エネルギーがフリーなって、次は衣食住のなかで食べ物がフリーになって、土地とかもフリーになって、とにかく衣食住がこと足りるようになって、そのうち贅沢品もお金を出さなくても手に入れられるようになるとお金はいらないですよね。
経済成長って何ってというところに行かざるをえないですよね。

渡辺 健太郎(以下:渡辺):さっきの少子化対策の議論の意味がなくなるのと同じように、将来が心配だからお金を使わないということ、これは経済そのものなんでしょうけど、意味がなくなりますね。

生きていくことに何の不安もない時代になる。

齊藤:人間にとって一番理想な生き方は、自分の持っている時間でやりたいことだけを追求できることだと思います。それ以上にすばらしいことはないわけですよね。

あと人間は1人では生きていけなくて、たくさんのひとと繋がりたい、どこかのコミュニティに属している実感、孤独感を払拭する何かが必要なのだろうと思いますが。
衣食住がこと足りるようになって、生活の糧のために働くなくていいわけですから、24時間365日あなたの好きなことをやっていいです、という状態が訪れます。他人に危害を加えたり、社会に迷惑をかけたりしないのであれば、何をやってもいいですという夢のような世界です。

芸術にまい進するひともいれば、スポーツに興じるひと、哲学や学問に向かうひともいる。世界遺産を巡りに、四六時中旅行に行きたいというひともいるでしょう。

生まれたその瞬間からその状況が整っていて、いまみたいに65歳定年退職までやりたいことできずに我慢して、さてようやく退職してやりたいことができるかなと思ったら、今度は老後の心配をしないといけなくて、という現在の常識ではなくってきますよね。

でも、一体全体、どちらの生き方がより人間的、あるいは人間として本当に幸せでしょうか?我々は固定観念に縛られすぎてしまっているのだと思います。

渡辺:まさに前提が変わるということですね。

市場経済が崩れ去ったあとに来るのは、好きなことだけを追求できる社会。
一方で、進化を続ける人工知能に対抗するために、人間どうしで知識や知恵を共有する必要があるようだ。
近い将来、我々の脳はコンピューターにつながり、全人類のネットワークができるという。
そんなSFのような世界は本当に来るのだろうか。
次回は、脳とコンピューターがつながった時、我々の生活にどんな変化が訪れるのかを探る。

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