「ホルモンハック」で理想の体を手に入れる

2017.1.18

病気とまではいえない不調を「体調不良」と片付けていないだろうか。自分のからだを理解しバージョンアップさせる「バイオハック」の入り口ともいえるホルモン検査の意義を解説する。

以下のような症状や習慣に心当たりはないだろうか?

・よく砂糖や甘いものが欲しくなる
・眠っても疲れがとれない
・朝起きられない、起きるのがつらい
・体が重い、だるい
・立ちくらみがする
・やる気が出ない
・うつ気味である
・記憶力や集中力の低下を感じる
・頭が働かないときがある
・パニックや緊張を起こしやすい
・コーヒーを頻繁に飲む

こうした症状は「病気」なのだろうか。おそらく多くのひとは、「ただの体調不良」と片付けていると思う。もし病院で受診したとしても、「異常なし」と診断される場合がほとんどだろう。

現に筆者も、上記の症状が複数当てはまると感じ受診した際には、「とりあえず」と睡眠薬や抗うつ剤を処方された。しかしそれらの副作用により、ますます体調を悪化させてしまった経験がある。

医師にとってもこの「体調不良」はやっかいだ。その本質的な原因は複合的であることがほとんど。問診だけでは特定が難しく、正しく対処する万能薬なんてないからだ。

複合的なストレスによる「副腎疲労」が体調不良につながる

からだの不調の対策として、『CATALYST』では「バイオハック」というコンセプトを提案している。バイオハックとは、自分のからだのメカニズムや個体差を理解し、自分だけにあったアプローチでからだをバージョンアップさせること。万人に共通の “健康法” を取り入れるのとは一線を画すものである。

さて、体調不良と深く関係し、ハックすべき “臓器” があると、今回取材した渋谷セントラルクリニックの河村優子医師は言う。その臓器とは「副腎(ふくじん)」である。

あらゆるからだの不調を自己解決に導く「ホルモンハック」の意義

副腎は主にコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンなどのステロイドホルモンを分泌して「ストレス」に対抗してくれる臓器だ。一言で「ストレス」と言っても糖質過多や暴飲暴食、花粉症などのアレルギー、寒暖差、運動不足はもちろん、実は過度な運動などもからだにとっても含まれる。

ストレスと戦うためには体内のコルチゾールが必要となる。そのためストレスに度々見舞われていると副腎から何度もコルチゾールが分泌されてしまう。そのうちにからだがストレスにさらされてもコルチゾールが分泌されにくくなってくる。結果、冒頭で述べたような「体調不良」の症状が出てしまう。

そうした症状が、実は副腎疲労であることはまだまだ認知されていない。それで副腎の休息はおろそかにされがちである。しかし、それを放っておくとさまざまな体調不良に繋がってしまうのだ。

副腎疲労は「月経前症候群(PMS)」との密接な関わりも

副腎機能の低下は、はたらく女性にとっては特に悩ましい「月経前症候群(PMS)」とも関わりがある。月経前によくイライラしてしまったり、重度の腹痛に悩まされたりという女性読者には特に注意してほしい。

PMSは主に女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスの乱れが要因となって引き起こされる。どちらのホルモンが少なすぎても多すぎても支障をきたしてしまう。また、コルチゾールも子宮内膜の炎症を抑えたり、精神的な症状を抑えたりする作用があるため、PMSの症状を抑える重要な役割を担っている。

また意外と知られていないことだが、エストロゲンやプロゲステロン、コルチゾールは「コレステロール」から合成されている。
コレステロールは動脈硬化を引き起こすことから悪物というイメージがあるが、実際は生きるために必要不可欠な物質だ。それぞれの女性ホルモンもコルチゾールもコレステロールが原料となっているため、良質なコレステロールがないとこれらのホルモンの質が低下してしまう。

近年ダイエットへの志向が高まり、野菜中心に偏りすぎた食生活を送ろうとする女性が増えたり、菓子パンだけ、パスタだけなど炭水化物中心の食事をする人が増えたりしていることから良質なコレステロールを確保できていない人も多い。

しかし、そういった習慣が続くと副腎の疲弊が自律神経やホルモンバランスの乱れに、そしてさらには妊娠しにくいからだにまでつながってしまうこともある。

原因にも対策にも「個体差」がある

とはいうものの、体調不良やPMSの原因の一部やそれらをコントロールできることがわかってきているのは、現代人にとっては朗報だ。
例えば、従来は生理不順などに個人差があったとしても「体質の違い」だと片付けられてしまっていた。しかし、PMSは自分のライフスタイルを見直すことにより改善させることが可能だ。

主な対策としてはホルモンバランスを整えるビタミンBやビタミンC、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルを含む食事をとること。それに加え、適度な運動を取り入れることによってストレスに強いからだを作りつつ、PMS前のスケジュールを調整してその時期のストレスを極力減らすことも重要だ。

しかし、症状の要因は万人一致ではない。より効果的なアプローチは個々人にあったトライ・アンド・エラーを行うことだ。人によってさまざまなストレスに対する対処に得意・不得意がある。自分がどのストレスに対して弱いのかを知らないかぎり、正しい対処のしようがない。

まずは自分のストレス耐性を知ることが重要

冒頭で挙げた症状が当てはまるものの、「検査するほどではない」と思っている人もいるかもしれない。それならまずインターネットで副腎疲労の自己診断をしてみるといいかもしれない。簡単なチェックとより詳細なものとがあるが、簡単なものでも心当たりのある症状が並んでいて驚くはずだ。

もしも自己診断で副腎疲労を疑われた場合は、早めにその原因を取り除くよう行動を起こした方がいい。「まだ大丈夫」と放っておくと体調は複合的にどんどんと悪化していくからだ。河村医師が勤める渋谷セントラルクリニックは、体調不良や副腎疲労の原因を特定するための詳細な検査を提供している。

あらゆるからだの不調を自己解決に導く「ホルモンハック」の意義

人それぞれのストレス耐性を調べるためにビタミン、ミネラル、ホルモンの欠乏や機能不全を確認できる「栄養・ホルモン分析」や、血液や毛髪を検査することで水銀・ヒ素が体内にどれくらい含まれているかを確認できる「有害金属検査」などを行う。

ちなみに有害金属はたばこの煙、大気汚染や大型魚などの食べ物を通じてからだに入ってくる。本来からだには有害物質を排出する機能が備わっているのだが、その排出を促す微量元素が体内から失われることによっても体調悪化を促進してしまう。

数種類にわたる検査のなかでも特に「ホルモン検査」は特筆しておきたい。

現代人は多くのストレスにさらされているため、適切なストレス対抗ホルモンが分泌されなければならない。その分泌に異常があると、体調不良が連鎖的に引き起こされてしまう。だから、ホルモンバランスに異常をきたしていないか、異常をきたしているとすればその「原因」を検査で知ることは重要なのである。「結果」しか教えてくれない健康診断だけでは不十分だ。原因がわかって初めて対処が可能になる。自分の個体差を踏まえ、食事や運動などライフスタイルを見直せばいい。逆に、原因が分からないままやみくもに行う改善のための取り組みには、残念ながら効果は期待できないだろう。

ここまで検査を受ける意義について話したが、ストレスや体調不良を改善するための副腎のハックにまだイメージが十分に湧いていない読者もいるだろう。

そこで次回は副腎の回復を実践すべく、河村医師による検査の具体的な内容についてお伝えしたい。『CATALYST』のGlobalPR担当として日々忙しくはたらき、冒頭にならべた副腎疲労の症状例が複数一致してしまった松本による実践だ。

あらゆるからだの不調を自己解決に導く「ホルモンハック」の意義

取材・執筆 :

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