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実践!遺伝子・血液検査でパーソナライズされた体質改善「FiNC」

近年、人々の健康に対する意識が高まる反面、健康づくりに関する誤った情報が世の中にあふれてしまっている。『Catalyst』で取り上げている「スーパーフード」も、予防医療に繋がることが期待できる一方で、それだけを食べていれば健康になれるというわけではない。

現代人は「身体に良い」というキャッチコピーに踊らされ、極端に偏った食事や運動に陥ってしまいがちだ。そのため、健康づくりにまじめに取り組もうとする人ほど、誤った方向に進んでしまうことも。その最たるものが「ダイエット」ではないだろうか。

過度な食事制限や偏った食生活が精神的なストレスを生み、無理に運動を始めても結局挫折し、体重をリバウンドさせてしまう人は少なくない。健康的に体質改善を図るための正しい知識とノウハウが、今こそ必要だ。

正しい体質改善を図るための最先端のアプローチ、その核となるのが「遺伝子データ」や「血液データ」である。自分の遺伝子を検査することで「運動をそこまでしなくても痩せられる」や「糖質で太りやすいの脂質で太りやすいのか」など、自覚していない身体の癖を知ることができ、それに基づいて食べるものを選択すれば必要な栄養素を適量摂取することができる。無駄のない食生活が実現されるのだ。

株式会社FiNC(以下、FiNC)は、最先端の検査技術やテクノロジーを駆使し、トレーナーや栄養士といったダイエットの専門家からモバイルアプリを通じてヘルスケアのサポートを受けることができる「ダイエット家庭教師」などのソリューションを提供している。そのソリューションは、先ほどの遺伝子を含む、検査・結果分析・栄養指導・運動指導・メンタルサポートからなる。

そのうちの主な項目である栄養指導では、モバイルアプリに食事の画像を投稿すれば、専門家が毎食ごとにフィードバックをくれる。体質改善は、特に忙しいと一人では挫折してしまいがちだが、必要な心理的サポートにもなるのだ。

今回は、Catalystの編集者が自らそれを体験した。その一部始終をお届けする。

正しい健康づくりは自分の身体を知ることから

「FiNCダイエット家庭教師」は専用アプリを活用し、遠隔で栄養や運動、メンタル面のサポートをダイエットの専門家であるトレーナーや栄養士から受け体質改善を図ることができるサービスだが、今回はマンツーマンのジムトレーニングを追加したプランを体験した。そのファーストステップは、複数の検査によって個人の身体の特徴と正しい食生活を知ることである。

具体的な検査内容は、肥満遺伝子検査と生活習慣&食習慣チェック。血液検査は任意だが、そのデータに基づいて専門家が食事のアドバイスをしてくれるため受けることを推奨する。肥満遺伝子と血液の検査キットは自宅に郵送され、手順書に従ってすれば30分以内に完了することができる。生活習慣と食習慣チェックは、モバイルアプリでアンケートに答える形で行う。

マンツーマンのジムプランに申込み銀座と赤坂にあるFiNCのプライベートジムの利用者であれば、体組成測定と3D姿勢分析を受けることも可能だ。

これらの検査を行うことにより、多面的に身体の状態を確認することができる。

検査の分析内容

肥満遺伝子検査・血液検査・生活習慣&食習慣チェックで、今の身体の異常の先天的要因と後天的要因を分析する。

肥満遺伝子検査キット(左)と血液検査キット(右)肥満遺伝子検査キット(左)と血液検査キット(右)

肥満遺伝子検査で導き出せるのは、肥満体質の先天的要因。身体の糖代謝、脂質代謝、筋肉生成に対する特性を把握することができる。

肥満遺伝子検査は口の粘膜を綿棒のような棒でなぞって完了肥満遺伝子検査は口の粘膜を綿棒のような棒でなぞって完了

血液検査や生活習慣&食習慣チェックは、肥満の後天的要素を明らかにする。血液検査で健康状態を数値化し、生活習慣&食習慣チェックで今の健康状態の要因となっているライフスタイルの特性を見える化する。

血液検査では指に針を刺し、ぷっくりと出てきた血をスポンジで吸い取り採血する血液検査では指に針を刺し、ぷっくりと出てきた血をスポンジで吸い取り採血する

体組成検査では、身体の筋肉量や脂肪量が分かる。Body Mass Index*(以下、BMI)も計測するので、身体の肥満度も知ることができる。

*身長に対する体重のバランスで肥満度を判定する国際的な基準

体組成検査は身長・年齢・性別を入力後、指電極を持ちながら体重を測る体組成検査は身長・年齢・性別を入力後、指電極を持ちながら体重を測る

3D姿勢検査では理想の姿勢に対しての身体の歪みが分かる。姿勢が理想型から離れれば離れるほど、その姿勢を補うためにさらなる身体の歪みが起こったり、筋肉に過度な緊張を与えるといったるという負のスパイラルに陥るという。

3D姿勢検査はセンサーを装着し画面に表示される簡単な動作を真似て行う。5分ほどでセンサーが身体の歪みを検知する3D姿勢検査はセンサーを装着し画面に表示される簡単な動作を真似て行う。5分ほどでセンサーが身体の歪みを検知する

検査結果

筆者の結果は、遺伝子による肥満の影響を受けにくい「リスクフリータイプ」であった。遺伝子検査によると、糖代謝を体内で標準的に行える特性を持ちつつも、脂質が分解されにくく筋肉の生成が苦手なため、熱産生を行いにくく、基礎代謝が低くなりやすいことが分かった。

肥満遺伝子検査と血液検査の結果

肥満遺伝子検査と血液検査の結果

生活習慣病で高尿酸血症と糖尿病を一番引き起こしやすい結果に

生活習慣病で高尿酸血症と糖尿病を一番引き起こしやすい結果に

血液検査による生活習慣病リスクの分析

血液検査では、肝機能の結果が「BAD」に。生活習慣病リスクでは、高尿酸血症と糖尿病のリスクが高かった。

筆者は半年ほど前から土踏まずが何もしていない状態でも痛く、食事を見直して野菜を多く摂取するよう医者に診断を受けていた。そのため、現在の飲酒量は標準レベルなのだが、過去には飲酒量が多かった。そのことを含む偏食と運動不足が原因で、肝機能が低下していたのだ。遺伝子による肥満の影響を受けにくいという検査結果も出たため、よほど偏った食生活を送っていたのだと思われる。

遺伝子検査に血液検査を加えることで、自分のエラーがより深く理解できると感じた。ちなみに、摂取した飲食物の成分が血液に反映されるのには1カ月ほどかかるそうだ。

体組成検査では、両腕・両脚で高脂肪率という結果に・・・

体組成検査では、両腕・両脚で高脂肪率という結果に・・・

3D姿勢検査で「猫背姿勢」であることが判明

3D姿勢検査で「猫背姿勢」であることが判明

健康づくりの正しい知識とアプローチを習慣化

上記のような検査により導かれたデータに基づき、食生活と運動不足へのアプローチに取り組んだ。FiNCのアプリには毎日のタスクのチェックリストが記されており、その画面で自分が食べた食事の写真を投稿をしたり、トレーニングの進捗チェックなどを行える。正しいノウハウに基づき、実践者が自発的かつ継続可能な健康作りを習慣化されるよう考えられた仕組みだ。

進捗状況のチェックリストとして使える他、一部の「タスク」が毎日変わり、健康的な生活バランスへと導いてくれる

進捗状況のチェックリストとして使える他、一部の「タスク」が毎日変わり、健康的な生活バランスへと導いてくれる。

栄養指導

肥満遺伝子検査と血液検査により、筆者は野菜の摂取が不足していることが分かった。野菜が不足すると、脂質の吸収をゆるやかにする食物繊維、筋肉合成に必要なビタミン、ミネラルが欠如する。野菜を摂取し、肥満や健康を害するリスクを低下させる必要があると言われた。

筆者の場合、具体的なアプローチポイントは炭水化物、タンパク質、野菜の摂取比率を一定に整えることと、食事で料理を食べる順番を変えることだと感じた。

摂取比率は、炭水化物:タンパク質:野菜を、1:2:3のバランスで摂取する。食べる順番は、野菜を食べきり、次はタンパク質へ。タンパク質を食べたら、次は炭水化物を食べるというもの。

FiNCの栄養指導者がモバイルアプリで食べた食事の内容をチェックしてくれる。フィードバックがもらえるほか、理想の食事の内容が写真で分かる。これにより、食生活のエラーが分かり、改善するための正しいアプローチ方法を知ることができる仕組みだ。

通っている店のメニューを投稿すれば普段の食生活の見直しができる

通っている店のメニューを投稿すれば普段の食生活の見直しができる

野菜が充実していると思っていたメニューも意外と炭水化物過多の結果に

野菜が充実していると思っていたメニューも意外と炭水化物過多の結果に

栄養指導者から野菜を先に食べるべき理由の解説

栄養指導者から野菜を先に食べるべき理由の解説

また、遺伝的要素や食習慣から導き出された必要成分を含有したパーソナルサプリも提供される。筆者はこれまでサプリに懐疑的であった。自然で生のものを摂取する必要があるという偏った知識を持っていたが、その方法で必要摂取量を満たすのは難しいとのこと。サプリを補助的に活用することで、バランスのよい栄養摂取が可能になるそうだ。

筆者向けに提供されたサプリは、スーパーフルーツとして知られるマキベリーエキスを含有していた。マキベリーはポリフェノールをアサイーの約5倍と豊富に含み、健康増進効果が期待されているスーパーフードだ。

習慣化されてしまっているエラーを正すには心理的負担もある。筆者も野菜を摂れなかったときや、飲み会などで限度を大幅に超えて食事をしてしまった際に罪悪感を感じてしまうことがあったが、その際も指導者に相談ができる仕組みに助けられた。

忙しい現代人にとって、そのストレスをマネジメントするためのサポートは、体質改善の挫折を防ぐ上で重要だと強く感じた。

ストレッチ・フィットネス

検査結果に基づいたアプリのタスクには、毎日簡単に行えるフィットネスも含まれる。4つのフィットネスがあり、各項目をスマートフォンでタップするとフィットネスの詳細が読めたり、動画で正しい動きを解説してくれる。進捗状況なども入力できるため正しいフィットネスを自宅でも容易に取り入れられるのがメリット。

タスク画面で4つのフィットネスとトレーニング回数、進捗チェックが行える

タスク画面で4つのフィットネスとトレーニング回数、進捗チェックが行える

トレーニングの方法の詳細もあり、動画でも閲覧可能

トレーニングの方法の詳細もあり、動画でも閲覧可能

ここからは、ジムオプションプラン申込者が利用可能なマンツーマントレーニング指導について。

無駄のない身体づくりの土台となるのは歪んだ姿勢を正しく矯正することだそうだ。筆者はデスクワークが多く、肩を閉じる動作を一日のうち長時間保ってしまっていることが猫背姿勢を助長してしまっているそうだ。読者の中にも心当たりがある人がいると思うが、そのような人は猫背を矯正するストレッチを取り入れる必要がある。

具体的には、腿(もも)裏の筋肉の緊張が猫背姿勢の原因の一つだそうだ。筆者のニーズに合ったストレッチ(上記画像)を指導してもらった。このストレッチは自宅でも定期的に行うよう薦められた。

また、胸の筋肉をほぐすことも猫背姿勢改善に重要。特筆すべきは「ウィンギング」と呼ばれるアクティブストレッチ。FiNCのボディデザイナー、野田氏によると、アクティブストレッチとは、運動前に一般的に行われるストレッチである「静的ストレッチ」をリズムよく、スピーディーに行うことを指す。

最新の研究によれば、静的ストレッチは筋温(筋肉の温度)を下げてしまい、運動パフォーマンスを低下させるという報告も。それに比べてアクティブストレッチは、適度な動きがあることで筋温(筋肉の温度)を上げられる。それがケガのリスクを低下させたり、運動パフォーマンスを向上させるという。サッカーの日本代表やドイツ代表なども取り入れている新しい準備運動である。

ダンベルやベンチプレスのような機具が必要なトレーニングとは違い、自宅で取り入れやすいのも利点。今回の体験で複数のアクティブストレッチを指導してもらったが、デスクワークが多い方に是非取り入れてみてほしいのが「ウィンギング」だ。動き方は、動画の2分15秒あたりで確認いただける。

また、姿勢改善のポイントに欠かせないもう一つのポイントが「筋膜」だ。筋膜とは筋肉や臓器、骨などを包む重要な膜。最新の研究では、筋肉に関連するトラブルの多くは筋膜の疲労や緊張が原因と考えられている。これを押して伸ばすことで、血流が良くなり、筋肉が柔軟になる。これを「筋膜リリース」と呼び、身体がほぐれるため運動前の準備に最適な他、代謝も上がり効率よくエクササイズが行えるようになるそうだ。動き方は、動画の2分26秒あたりで確認いただける。

これらのストレッチをしっかり行った上で、運動強度を上げた筋肉のストレッチや強化をTechnoGym社の筋肉トレーニングマシン「キネシス」などを活用して行った。

TechnoGym社の筋肉トレーニングマシン「キネシス」

TechnoGym社の筋肉トレーニングマシン「キネシス」

結果

筆者は2015年9月11日に検査を開始し、その後およそ3週間、体質改善のためのプログラムを体験した。FiNCのプログラムは、改善された生活を習慣化させ、また血液内の栄養を改善するため通常60日間を要する。今回は短期間に絞ったものとなったが、それでも体験開始から2週間で体重が2.5kg減、体験終了後も継続的に体重が減少し合計1カ月で5.1kg減った。

筆者の場合、睡眠が不足していること以外は、体調は改善されたと感じている。野菜を多く摂れる食事やお店選びにも少しずつ慣れ、飲酒も適量に留められるようになった。食事投稿に対するフィードバックを読み進めるうちに、飲食物の選定基準が「美味しい」から「健康的」に少しずつシフトしたからかもしれない。

また、専門家が食事改善をモバイルアプリという程よい距離感で寄り添ってくれることや、食事の画像を投稿する工程がストレスなく行えることが、継続的な体質改善のための取り組みに繋がっているとも感じている。

こうして、自分の身体にあった最適な体質改善のアプローチを体得しつつある。体重減という目に見える結果や体調の改善を体感できているため、取り組みを継続するためのモチベーションも維持できている。まだまだ指導者による支援に頼ることもあるが、もう少しで自立して健康づくりに取り組めるようになりそうだ。

編集後記

FiNCは法人向けにもソリューションを提供している。生活習慣病やうつ病などによる体調不良者は増加の一途をたどっており、国や企業の医療コスト増を招いている。これまでは「健康は自己管理」と考えられていた。これからもそうであることに変わりはないだろうが「企業やコミュニティーが個人の健康維持に寄り添う」時代へのシフトが起こりつつあるのかもしれない。

そもそも、本当の健康づくりは一人では難しいのかもしれない。筆者は栄養の知識は進んで情報収集してきたつもりでいた。ただ、FiNCの栄養指導を受けて自分の知識は偏っており、そして誤りが多いことにも気づかされた。誤った情報に基づいたアプローチに時間を費やすのは本末転倒だ。自分の身体の特性を遺伝子レベルで知り、それにフィットする方法を見つけることが重要であると感じた。

FiNCのサービス詳細はこちらのURLでご確認いただける。

https://dietcoach.finc.co.jp/cp/

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