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日本の大手量販店へ試験導入もーシリコンバレー発の接客ロボット「Navii」

「ロボットは世界を征服する」。『ドラえもん』や『鉄腕アトム』に慣れた日本人にはなかなか想像しづらいが米国ではロボットといえば『ターミネーター』のような凶悪なものがイメージがちだ。

そんなロボットの負のイメージを払拭するため「ロボットは人間の生活を豊かにしてくれる良きパートナー」というメッセージを込めた名前のスタートアップ Fellow Robots社が米国のみならず日本でも注目され始めている。

シリコンバレー発のFellow Robots社が開発するのは、小売店での接客や在庫管理を担うロボット「Navii(ナビー)」。オンラインプラットフォームとの連携により、ロボットが商品の場所を把握し、その情報で接客や在庫管理を効率的に行うことができる。

米国では生活家電・住宅リフォーム2位Lowesのサンフランシスコ・ベイエリア11店舗への導入が決まっており、CNBCやABCなど米大手メディアがこぞって取り上げるほど注目されている。Lowesは日本のコメリやコーナンに相当する。

日本でもヤマダ電機やパルコが試験的に導入することを国内大手メディアが取り上げたので、知っているひとも多いのではないだろうか。

実はこのFellow Robots社の共同創設者でありCEOのマルコ・マスコロ氏は、日本への留学経験があり、「ロボットは人間に寄り添う友達」という日本独特の捉え方に共感する人物だ。

Image titleマルコ・マスコロ氏

シリコンバレーにあるFellow Robots社オフィスで、マスコロ氏にプロジェクトの発端、そして今後の展望について聞いた。

「シンギュラリティ大学」で得たエクスポネンシャル思考

マスコロ氏はメキシコ出身。現地の大学卒業後、JICAのプログラムで金沢工業大学にロボティクスの研究員として留学した経験を持つ。留学したのは2011年、東日本大震災で破損した原発施設の調査用ロボットの研究をしていた。

その後、シンギュラリティ大学について知り、2012年にサマープログラム(グローバル・ソリューション・プログラム)に参加した。

そして、このプログラムで出会ったほかの2人のメンバーとともにFellow Robots社を立ち上げた。この2人のうちの1人はシンギュラリティ大学の講師、もう1人は宇宙飛行士ととてもユニークなメンバーだ。ちなみにマスコロ氏もシンギュラリティ大学でロボティクス・人工知能の講師を務めた経験を持つ。

現在、大手企業への導入が進みFellow Robots社の事業は順調に伸びている。マスコロ氏は数年で事業が軌道に乗った理由について、シンギュラリティ大学ラボ(SUラボ)の存在が大きいと語る。

SUラボは、大企業の研究開発チームやスタートアップなどさまざまな組織をつなげ、エクスポネンシャルに進化するテクノロジーの活用方法を模索し、新たなビジネスソリューションを創り出すプラットフォームとして機能している。

SUラボを活用することでプロジェクト開始早々からさまざまな学びを得たマスコロ氏が、ロボットのポテンシャルを最大限に引き出せると確信したのは小売業だった。

多くの小売店舗では、1995年くらいに導入されたようなアナログなシステムを使っています。シンギュラリティ大学では、デジタルテクノロジーを活用することでエクスポネンシャルなインパクトを与えらえるということを学んだので、ロボットにソフトウェアや人工知能を組み合わせたソリューションを開発することにしました。小売業では特にデジタル化が遅れているので、デジタルを入れるとインパクトは非常に大きいものになると考えました。

人工知能とタッグを組んだロボットのインパクトー日本での導入も増える?

Image title

われわれがフォーカスするのは接客よりも在庫管理です。クラウド上のプラットフォームとマシンラーニング技術を活用することで、在庫管理コストを大幅に下げることができるからです。

通常、小売店舗の在庫管理は棚にあるものを手作業で行う工程が発生するためかなりの時間を要する。学生時代などに棚卸しのアルバイトをしたひとならイメージしやすいと思うが、店舗の規模が大きくなるほど人員、時間工数は増加し、コストが膨らんでしまう。

一方、ロボットは店内を巡回しながら速く正確に在庫確認できるため数時間で完了することが可能だ。またサービス課金型のビジネスモデルのため、ロボットを購入するコストもかからない。

米国の大型小売店では12万種類以上の商品を置いているところもあり、Fellow Robots社のロボットがもたらすインパクトは非常に大きなものになる。まさにシンギュラリティ大学が教えるエクスポネンシャル思考を体現するものだ。

日本での留学経験があるマスコロ氏は、日本市場でもロボットを導入することに意欲的だ。今後は小売業だけでなく、ほかの業種への応用も考えているという。

『ドラえもん』や『鉄腕アトム』のように、そして「Fellow Robots(仲間のようなロボット)」という言葉の通り、ロボットが身近な存在になる日は、それほど遠くない未来に実現しそうだ。

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シンギュラリティ大学についてはこちら


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