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火星での飛行シミュレーションも!? オレゴン・ドローン事情(後編)

米オレゴン州ポートランドを拠点とする2人組「ロズウェル・フライト・テストクルー(Roswell Flight Test Crew)」は、ドローンに関する情報発信やレクチャーのほか、ドローンによる赤外線イメージングなども手掛けている。

ドローン黎明期からこれまでの彼らの活動について語ってもらった前編に続く後編では、ドローン初心者へのアドバイス、そしてオレゴンならではの飛ばし方について聞いた。

前編はこちら。

赤外線イメージングに使っているのは3Dプリンター製のドローン

—最近はどんなドローンを飛ばしていますか? お気に入りは?

最近、DJIのInspire 1を所有するようになったんだけど、ものすごく機敏で、まるで模型飛行機を飛ばしているよう。僕らが多くの時間を費やしてきた自作のシステムに比べると、ビデオと静止画のクオリティーにも驚かされる。

僕らが消防署や公共安全の仕事で赤外線イメージングをする時に使っているドローンは、3Dプリンターで製造されたAtlanta Hobbyの「Vortex」というもの。大きくて重いけど、安定していて十分なパワーがあるんだ。

それから最近は、Autel Robotics の「X-Star Premium」、Yuneec社の「Typhoon H」、Xiroの「Xplorer」、EHangの「Ghost Drone 2.0」といったいくつかの新しいドローンを試しているよ

—なるほど、たくさんのドローンを飛ばしていますね。

ドローンで赤外線イメージングをした時の動画

—これからドローンを飛ばしたいひとに向けたアドバイスをお願いします。

「リアルフライト」のようなシミュレーターから始めることをおすすめしたいね。「リアルフライト」は僕らが住んでるオレゴン州でつくられたんだ。ドローン操縦の基礎動作を身につけるのにすばらしいソフトだよ。パソコンの画面の中でなら何回クラッシュしても心配ないし、スペアパーツの費用もかからないからね。

次に小型のクアッドコプターの操縦かな。操縦を学ぶには最適だし、価格も手頃でほとんど壊れないよ。シミュレーターと小型ドローンの操縦をマスターしたら、空撮やレースなど自分の目的に特化したドローンに進むのがおすすめだよ。

火星でドローンを飛ばすシミュレーションが試験中!?

—なぜオレゴンでドローンを飛ばしているんですか? 何か独特のメリットはありますか?

オレゴンに住みながらドローンを飛ばせるのは、すごくラッキーだと感じているよ。オレゴンには航空とテクノロジーの両方において長い歴史があって、インテル、FLIR、テクトロニクスのような大企業がある。それに積極的にドローン市場に参入しているスタートアップ企業もたくさんあるんだ。

もう1つは、飛ばすのにすばらしい場所だということだね。オレゴンはとても雨の多い気候で有名なんだけど、州の大部分を占めるカスケード山脈の東側は砂漠になっていて年間325日以上は晴天なんだ。だからそこではいつでもドローンを飛ばせるよ。

あとは、西海岸で唯一FAA(アメリカ連邦航空局)に認可された3つの演習エリアがあって、その1つである沿岸部のティラモックでは高度13万フィート(約4,000メートル)まで飛ばすことができるんだ。FAAは驚くことにドローンを火星で飛ばす試験に取り組んでるんだ!これは僕のでっちあげじゃないよ(笑)。彼らは地球の高いところでドローンを飛ばして、大気の薄い火星で飛ばすシミュレーションをしているそうだよ。

—火星ですか!? アメリカではそんな試験まで行われてるんですね。

ドローンおじさんたちが目指すこと

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—最後に、ロズウェル・フライト・テストクルーの今後の展望を教えてください。

ドローンについて教えたり、ドローンで安全のための検査や調査をしたりと、これまで僕らがやってきたことを続けることが1つだね。

あと定期的にYouTubeチャンネルにドローンに関する動画を投稿していくこと、そして業界とコミュニティーの中でいい関係を築き続けていくこと。正直に言うと最も大きな障害は、僕らに訪れている機会をすべて生かすだけの時間が足りないことなんだ。これは課題だけど、何か良いアイディアがないか考えているよ。


(取材を終えて)

常に自らも楽しむことと学び続ける姿勢を忘れず、米国中を飛び回ってドローンについて発信し続けているロズウェル・フライト・テストクルー。ドローンの発展を身をもって体感してきた2人は、テクノロジーへの好奇心とドローンが持つ可能性を信じる気持ちが大きな原動力になっているようだ。


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