ドローンを持って旅をする「ドローントリップ」を提唱している『CATALYST』監修役の渡辺が、自らのドローントリップ体験を語る。テクノロジーが人間のフロンティア精神を駆り立ててきた歴史を振り返る。

【東北】さまざな表情をする東北のドローントリップの魅力

2017.1.20

牧浦ドガ氏との対談で、ドローンを持って旅をする「ドローントリップ」を提唱していると語った『CATALYST』監修役の渡辺が、自らのドローントリップ体験を語る。テクノロジーが人間のフロンティア精神を駆り立ててきた歴史を振り返り、ドローンと旅行の関連にも注目する。

ーまず、これまでドローンを持ってどこに旅をしたのか教えていただけますか。

国内では、地元の宮城県、北海道、沖縄、軽井沢など、海外では、シンガポール、香港、サンフランシスコにドローンを持っていきいろいろと空撮しました。
最近のドローントリップは、夏休みに行った北海道ですが、この旅行でドローントリップの良さを再確認しました。
この北海道ドローントリップに持っていったのはDJIの「Phantom3 Professional」。3泊4日、車で旭川、稚内、美瑛、富良野を周り、いいなと思った場所で車を停めて、Phantom3を飛ばしました。
誰もいない広大な原っぱ、広い空、だだっ広い丘など、とにかく空撮したくなるところばかりでした。
北海道と宮城県でのドローントリップをまとめたのが以下の動画です。見ているとまた旅行したくなりますね。

ー宮城県でも飛ばしたとのことですが、どの辺りが空撮スポットになりますか。

宮城の空撮スポットはたくさんあると思いますが、私がドローンを飛ばしたのは有名な観光スポットではなく実家近くなんです。
実家近くって昔から知っている風景で、あまり面白みがないと思うかもしれませんが、実は見慣れた風景を空から違うアングルで撮影してみると、新しい発見があってとてもおもしろいんです。

宮城県の実家周辺の様子を撮影宮城県の実家周辺の様子を撮影

実家近くには廃線になった線路と鉄橋があって、ドローンを買ったときから、ここは絶対空撮してみたいと思っていました。
実際、その鉄橋をPhantom3で空撮してみて、映画『スタンド・バイ・ミー』に出てくる1シーンのような映像が撮れて、ものすごく興奮しました。

実家近くの廃線になった線路で空撮 映画『スタンド・バイ・ミー』に出てきそうな場所だ実家近くの廃線になった線路で空撮 映画『スタンド・バイ・ミー』に出てきそうな場所だ

自分がよく知っている場所でも、新しい視点で見るといろんな発見があって、他にももっと撮影したいという好奇心が強まったと思います。

ードローントリップに関してこれまで最もインスピレーションを受けた作品などあれば、紹介していただけますか。

最も好きなのは、バックパッカーがドローンを持って南米19,000kmを旅した映像です。
氷山や砂漠、流氷など壮大なスケールの自然を撮影している作品です。映像のクオリティはすごく高く、ちょっと昔だと同じクオリティの映像を撮影するのに、ものすごいコストがかかったと思いますが、今では個人でできてしまう。
格安航空など移動手段の低コスト化も進んでいるし、ドローントリップをしやすい環境が整ってきていると思います。
この南米の映像を見ると、自分でも同じような作品を撮ってみたいと思いますね。また、まだ見ぬ世界を体感したいという思いも強くなります。これはドローンを持つことで、人間が持つフロンティア精神が活性化されているということなのかもしれません。

ードローンがフロンティア精神を活性化。より詳しく説明していただけますか。

歴史を振り返ると、人間は常にフロンティアを目指して自分たちの領域を拡大してきました。ギリシャ神話でイカロスの伝説というのがあります。自由自在に空を飛べるようになった人間の話ですよね。これは、自由に飛んでフロンティアに行ってみたいという欲求の表れともとれます。
たとえば大航海時代。「この海の先には何があるのか、行って確かめてみたい」というフロンティア精神が高まった時代だった。それは、造船技術や航行技術といったテクノロジーがもたらしたものだともいえます。
大航海時代に海というフロンティアが開拓され、その後飛行機の発明で空というフロンティア、そしてロケットの発明で宇宙というフロンティアが開拓されてきました。
地上におけるフロンティアのほとんどは1900年代前半には、開拓しつくされたと思います。
地上におけるフロンティアが開拓しつくされても、人間はフロンティアを求めてきましたよね。それが1960年代のヒッピーやサイケデリックのムーブメントなどに見る心のフロンティアの開拓なんです。
その後1990年代からインターネットが普及しはじめ、ネット空間におけるフロンティア開拓が始まりました。
このように歴史を見れば、多くの場合テクノロジーの登場で、人間はその都度フロンティアを開拓してきたといえます。
そして、ドローンが登場するわけです。ドローンの登場で、実はまだ地上にもフロンティアが残っていたことを認識させられることになります。自動車が走る地上と航空機が飛ぶ間の空間です。この空間はこれまで誰も開拓してこなかった。だから、いろんな可能性があって、多くのひとが関心を持つようになっているんです。空撮はその可能性の一つだと思います。
ドローンを持つと、いろんなところを空撮したくなる。これは、まさにフロンティア開拓と同じことだと思います。

ーなるほど、ドローントリップをすることは、地上に残された最後のフロンティアを開拓していることになるのですね。今後のドローントリップの映像も楽しみです。

旅先で出会う色鮮やかな景色旅先で出会う色鮮やかな景色

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