過激な飛行で中毒者続出 世界トップクラスのドローンレーサーの実力

2017.1.23

2015年11月7日千葉県で日本最大級のドローンレース「ドローン・インパクト・チャレンジ」が開催された。この様子は、テレビや新聞などで取り上げられたので、ドローンレースを知らないかったひとがレースについて知るよい機会となったのではないだろうか。この他にも国内各地で大小含めいくつかのドローンレースが行われており、日本でも盛り上がる兆しがある。

過激な飛行がたまらないドローンレース

Image titleドローン・インパクト・チャレンジの様子

一方、欧米では日本に先駆け多くのドローンレースが開催され、レースの規模は日本のはるか先を行っている。

2015年7月に米カリフォルニア州で開催された「US National Drone Racing Championships」は、パイロット120名、スポンサー60社以上が集まった世界最大のレースとなった。賞金総額は2万5000ドル。

この大会は盛り上がりを見せ、第2回目が2016年10月にハワイで開催されることが決定された。賞金総額も4倍に跳ね上がり10万ドルだ。

レースの規模だけでなく、ドローンの操縦技術に関しても日本はまだまだ欧米に追いつけていない状況だ。

これが世界トップクラスのドローンレーサーたちの実力だ

百聞は一見にしかず。世界トップクラスのドローンレーサーたちがどのようなフライトをするのか、少し見ていただきたい。

Mr Steele

この動画はMr Steeleという愛称で親しまれるアメリカ人がドローンに付けたGoProで撮影したもの。

高速で飛ばすだけでなく、さまざまなトリックを駆使して、動画を迫力満点のものに仕上げている。

このSteeleは筆者がドローンを飛ばすときに多くのインスピレーションを与えてくれるトップドローンレーサーの一人。
高速でトリッキーなフライトをさせれば、おそらく世界一だ。7月のUS Nationalでは、エキシビションで素晴らしいフライトを披露している。来年のハワイ世界大会の優勝候補の一人でもある。

このほかに世界トップクラスで来年ハワイ世界大会で優勝候補とされているトップドローンレーサーを数名紹介しよう。

Charpu
米国在住のスペイン人、カルロス氏。YoutubeなどでCharpuという愛称で親しまれ、多くのファンがいる。
筆者もその一人。
ドローンを飛ばすロケーションだけでなく、映像編集、BGMの選定にこだわりを持つクリエイティブなドローンレーサーだ。

Skitzo
スムーズかつ針の穴をも通すほどの正確な飛行が持ち味。
映像にもこだわりを持ち、レース用ドローンとGoProを使った新しい表現を追求している。

ストリートカルチャーとドローンの融合がもたらすもの

迫力ある映像に驚いたひとは多いのではないだろうか。

筆者の知る限り、日本人でこれほどのドローン操縦技術を持ち、クリエイティブな映像を披露しているひとは皆無だ。

なぜ日本人でこのようなひとたちがいないのか。
日本ではドローンを飛ばせる場所が少なく練習ができないという課題があるほか、レース用ドローンを飛ばすのに無線免許取得が必要などハードルが高くドローンレースをやるひとが少ないということがあげられる。

さらに重要なポイントを指摘すると、ストリートカルチャーに基づいた精神の有無があると考えられる。
ストリートカルチャーとは、エスタブリッシュメントな規範やルールに対する対抗運動として捉えることができる。すでに確立した規範やルールに縛られることなく、自己をクリエイティブに表現する精神と言ってもよいだろう。

スケートボードに見るエクストリームな表現、たとえば階段の手すりをスケボーで滑り降りるなどがそれに該当する。
スケボーの世界では、決められた場所を安全にゆっくり滑っているひとは見向きもされないが、危険でスリルのある滑りを披露したものがヒーローになる。

これはドローンレースの世界でも同じである。よりスリルある迫力満点の飛行をしたものがヒーローなのだ。

Image titleスリルあるフライトとクラッシュは紙一重 GoProが大破することも珍しくない(筆者のレース用ドローン)

実は前述のCharpuなどはスケボー経験があり、ストリートカルチャー精神の塊でもある。
Charpuがドローンを飛ばす場所に、グラフィティ(ストリートカルチャー特有の落書き)のある廃墟を選ぶのも納得できる。

これら世界トップクラスのドローンレーサーたちは常日頃、自己表現するためにより難しくスリルある飛行を追求しているのだ。
それは必然的に難しい場所で飛ばすということにもなるので、彼らの飛行技術も自ずと上がることになる。

世界では彼らの映像に魅せられドローンを始めたひとも少ない。
さらには彼らに追いつけ追い越せと、この数カ月で新たに凄腕ドローンレーサーが続々誕生している。

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