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「DJI Film School」始動 ドローン撮影の技術をプロがYoutubeで解説

ドローン世界最大手の「DJI」は2016年5月17日、同社の製品を活用した映像の撮影テクニックを披露する取り組み「DJI Film School」をYoutube上で開始した。同日より5週に渡って、映像とそのメイキングを収めた動画が週に一度公開される。本記事では、5月17日に公開されたシリーズの第一回目となる動画「Foot Chase」と、その中で監督らが語ったテクニックの内容をご紹介したい。


監督は人気空撮パイロットYoutuber、Ryan Connolly氏

シリーズの第一回目となる5月17日に公開された動画「Foot Chase」は、ある一人の女性が二人の女性に山中で追いかけられ、追い詰められて素手で戦うシーンもあるアクションもの。舞台はカナダ・バンクーバー。木々の間をすり抜けるようにして追いかけてくる女性から主人公の女性が逃げる緊迫感溢れる場面から始まり、山小屋や建物のルーフトップで格闘するクライマックへとつながる。本格的な映画のワンシーンのような仕上がりだ。

メイキングによれば、撮影に使用された機材は、「Phantom 3 Professional」と3軸電動スタビライザー搭載カメラの「Osmo」。GPSアシストホバー機能で安定してホバリングするPhantom 3 Professionalなら、障害物の多い山中でも空撮パイロットが見失うことはない。Osmoは片手で軽々と持ち運びできるほど軽量で、動きながらでもなめらかな映像を撮影できることから、今回のようなアクションシーンに適しているだろう。

Foot Chaseの動画に出演し、今回Osmoでの撮影を担当したのは、ショートフィルムを中心に制作するアメリカの映画監督、Ryan Connolly氏。本作では、監督と映像編集も務めている。Ryan氏は、自身の撮影テクニックを紹介するYoutubeチャンネル「Film Riot」の運営者でもあり、そのチャンネル登録者は87万人を超えるほど絶大な人気を誇る。そして今回、彼の弟で仕事のパートナーでもあるJosh Connolly氏がプロデューサーとして参加した。

Phantomでの撮影はアメリカ・カリフォルニア生まれ、現在はカナダ・バンクーバー在住のビデオグラファー、Josh Knepper氏が担当。2007年にバンクーバーに拠点を移してからは現地の映画業界関係者とリレーションを築き、さまざまなアーティストとコラボレーションして映像を撮影している。映像制作会社「Transposition Films」の共同経営者でもある。Ryan氏、Josh氏という今旬のクリエイターの技を盗める。

Ryan氏、Josh氏が語った撮影テクニックとは?

この二人を含め、Foot Chaseの撮影クルーは、監督、演出家、撮影オペレーター、スタントコーディネーター、音楽担当、マイク担当、ヘアメイク担当など全部で15名、それ以外にキャストが3名だ。Phantomなどとは異なる大型の機材が使われていたら、この人数では間に合わなかっただろう。全部で2分21秒のこの動画は、悪天候かつ日照時間が短い時期にも関わらず、この少ない人数で一日だけですべての場面が撮影された。

Ryan氏とJosh氏が語った、映像の撮影にOsmoとPhantomを使用するメリットとそのテクニックを紹介したい。まず、冒頭のキャストたちが山中を走り抜けるシーンでは、Phantomのカメラを真下に向けて撮影した「森全体を見渡すカット」と、その後に切り替わるOsmoで撮影した「走るキャストたちを至近距離から写したカット」を組み合わせることで臨場感を演出した。見事に視聴者の心をつかむことに成功している。

その至近距離での撮影では、Osmoが活躍。カメラマンがOsmoを片手に、山中をキャストの前と後ろで同じスピードで走り、撮影。道は凸凹で映像は乱れ放題なはずだが、振動をジンバルが吸収することで映像は安定したまま。おかげで、視聴者も山中を走っているかのように感じられるダイナミックさが映像にもたらされた。Osmoが持ち運びにも適しているため、短時間でさまざまなアングルでのカットを撮ることもできたという。

Connolly氏によれば、Osmoを使う際の撮影のポイントは、カメラマンの後ろにもう一人スタッフを配置すること。そのスタッフの役割は、カメラマンが転落したり、転倒したりする可能性がある場所に近づく前にカメラマンに知らせることだ。そうすることで、カメラマンの動線の安全は確保され、撮影中、カメラマンは被写体だけに意識を集中させることができる。Foot Chaseの映像には、そのコンビネーションの様子がおさめられている。

映像の後半、建物のルーフトップでのアクションシーンでは、Phantomをさらに多用。ルーフトップのような高い位置で撮影するためには、従来はクレーンなど大きな機材を周囲に配置する必要があった。しかし、今回の舞台のように、山の斜面のすぐ近くなど十分なスペースを確保しにくい場所では、それは不可能。ドローンを用いることで、大型機材の手配と配置、それに必要な人員を削減し、この難しいロケーションでの撮影を実現した。

同じシーンでは、格闘するキャストを中心にドローンが自動で旋回飛行しながら撮影する「POI(ポインド・オブ・インタレスト)」の機能が用いられた。このシーンの解説ではKnepper氏が、自動飛行モードでも緊急事態に備えて、常にドローンを目視しフライトコントローラーを手放さないようにと注意を付け加えた。

Ryan氏は、撮影全体について二つのポイントを挙げた。一つめは「トライアングルカバレージ」と呼ばれるもの。キャスト2名によるアクションシーンを臨場感たっぷりに撮影したいなら、キャストAをメインで捉えるアングル、キャストBをメインで捉えるアングル、両方のキャストを引きで捉えるアングル。これら三つのアングルで撮影を重ね、編集で組み合わせるのがよいという。

もう一つのポイントは、撮影プランについて。ドローンを使っての屋外での撮影は、天候や時間帯に左右され、最初に考えていたプラン通りに進行できないことのほうが多い。だからいつでも柔軟に対応できるよう、かならずプランBを準備しておくことが大切とのこと。

いかがだろうか。DJI Film Schoolは、ドローンを使ったプロレベルの映像の撮影テクニックを学べる貴重な機会。動画をチェックしてみては?

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