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人工知能で腎障害、失明リスクの早期発見が可能に DeepMindが研究

今年3月に囲碁の世界王者に勝利した「AlphaGo」の開発元であるGoogle傘下のDeepMind社が、次は「医療」の分野に駒を進めるーー。

DeepMind社はイギリスの国民保健サービス「NHS」と共同で、「急性腎障害」と「失明」のリスクの早期発見に機械学習を応用する研究を進めている。人工知能で医師の役割の一部を補完するのがねらい。

病院内のデータを統合・解析し診断をよりスピーディーに

「急性腎障害」に関する研究は始まったばかりで、人工知能を医療現場に投入することでわかってきたことはまだ少ない。

それでも、DeepMind社がNHSの医師や看護師と試行錯誤を繰り返すなかで、病院内の血液データやX線などデータがうまく統合されておらず、そのことが医師による正確な診断を遅らせている可能性があるという。

これを踏まえDeepMind社は、ロンドン拠点のロイヤルフリー病院の腎臓専門家とモバイルアプリ「Streams」を開発。Streamsは、医師や看護師が血液データにもとづき、急性腎障害を引き起こすリスクが高い患者を早期発見するのを助ける。

DeepMind社の共同創業者でヘルスケア部門のトップを務めるムスタファ・スレイマン氏は今後のマイルストーンについて、「まずは、データの活用を病気やそのリスクの早期発見につなげることから。次のステップは、同様の診断に対して過去に採られた対処方法に、医師がアクセスしやすくすること」と考えている。

「医療はテクノロジーがもっとも活かされていない分野の一つ」

「失明」のリスクについて、DeepMind社は同じくロンドン拠点の眼科病院、ムアフィールズ・アイ・ホスピタルと共同で、眼球のスキャンデータを解析し、失明を予防する機械学習システムの開発に着手している。

スレイマン氏はこれについて、「糖尿病の人が失明するリスクは通常の25倍。しかし、早期に発見できれば予防できる可能性はきわめて高い。現状ではスキャンしてから診断結果が出るまで数週間を要している。それをリアルタイムで行えるよう模索を続けている」という。

同氏は従来の医療分野を次のように見ている。

この20年間、最新のテクノロジーがもっとも活かされていない分野の一つが医療だ。だからこそこの分野における研究の成功は、その後に発達の伸びしろがあることを意味し、私たちにとって大きなインパクトとなる

「医師」という高付加価値型サービスの一端を、近い将来、人工知能が担うようになるかもしれない。DeepMind社は、今年後半にも研究の経過を報告するという。

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