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一生安泰な仕事などない、日本発人工知能サービスが置き換える人間の仕事10選

人工知能が人間の仕事を置き換えるという予測が、世の中で徐々に浸透しつつある。であれば、具体的にはどのような仕事が、どのようなサービスによって置き換えられていってしまうのかーー。

そこで今回は、近い将来、人工知能によって雇用が失われるであろう仕事を10個取り上げ、それを加速させる人工知能を応用した「日本発」の代表的な技術・サービスを紹介する。

1. 会計士

Image title「SHARES AI」

難関と言われる資格試験があり、なるのが難しいとされる「会計士」。しかし意外にも、人工知能によって早期に置き換えられてしまう仕事かもしれない。

クラウド経営支援ツールを提供するココペリインキュベートが提供する「SHARES AI」は、企業の会計データを人工知能が分析し、経営に関わるアドバイスを行う。会計クラウドサービスのfreeeが提供する開発者向けのAPIを活用している。

具体的には、同業他社との業績の比較や受給可能な助成金の洗い出し、最適な融資の申し込み時期の助言などを担う。数字を正しく記録し、数字からのみ読み取れることを報告するだけでは、今後会計士の役割としては不十分となってしまいそうだ。

2. 人事

Image title「HERMOS」

近い将来、人材の採用・不採用は、人間ではなく人工知能の面接官が判断するようになるかもしれない。

人材サービス会社、ビズリーチのクラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」は、人工知能のディープラーニング技術で企業の従業員の能力を分析し、そこで活躍できる人材像やそのために必要な能力を導き出す。それによって、採用に関わる意思決定をサポートする。

人事担当者は今後、業界や企業の成長フェーズによって異なるであろう「活躍」を経営者とともに定義したり、採用した人材の能力を最大限に引き出す機会を作り出したりする能力などが求められるようになるだろう。

3. 弁護士

Image title「KIBIT」

数ある士業のなかでも最難関と言っても過言ではない「弁護士」ですら、今後は一生安泰の職種ではない。

ビッグデータ解析事業を行うFRONTEO(前UBIC)が提供する「KIBIT」は、主に国際訴訟という専門性の高い分野で弁護士をサポートするために開発された。企業の電子メールなど膨大なデータを短時間で解析し、裁判に活かせる決定的な証拠を見つけ出す。

訴訟大国のアメリカでも企業が導入しており、これまで企業の経営を圧迫し続けてきた訴訟対策のための莫大な費用(主に弁護士費用)、労力の削減に貢献している。過去の判例などデータをあつかう弁護士の仕事は、まさに人工知能の得意分野だ。

4. 栄養士

Image title「パーソナルカラダサポート」

デジタルヘルスケアを提供するFiNCとソフトバンクが共同開発した「パーソナルカラダサポート」は、IBMの人工知能「Watson」を活用している。栄養士がWatsonに質問すると、栄養指導に必要な情報をFiNCのデータベースから取り出してくれる。

FiNCは、ユーザーからの栄養管理に関わる問い合わせに対する回答は、当面はWatsonが取り出した情報に基づいて栄養士が引き続き行うとしているが、今後は回答までをもWatsonが担うようになることも想定しているだろう。

同社は顧客がスマートフォンで撮影した食事を栄養士が分析してダイエットをサポートするサービスも提供しているが、専門家の教育や顧客からの問い合わせへの対応にコストがかかるという課題を抱えていた。この試みはそれを解決するものである。

5. 医師

Image title(NHK NEWS WEBより引用)

先日、医師の約7割が「20年以内に人工知能が診療を担う時代が来る」と答えたアンケート結果が話題となったが、そのことを証明するかのような事例を東京医科学研究所が発表した。

東京大学医科学研究所が導入したWatsonが、抗がん剤を投与しても回復せず、その原因が不明だった60代女性が特殊な白血病にかかっていることをわずか10分で見抜き、それにしたがって治療法を変えたところ、女性は回復して無事退院したという。

このWatsonは、2000万件もの医学論文、1500万件を超える薬などの特許情報、がんと関連する遺伝子の情報を学習。まさに「人知を超えた医療の世界」(東京大学医科学研究所の宮野悟教授)を人工知能が開き始めている。

6. 翻訳家

Image title「熟考Z」

「翻訳家」は、人工知能に置き換えられるであろう仕事としてよく取り上げられる。すでに「Google 翻訳」などが一部代替しているが、それが人工知能技術の高度化によってさらに加速していく。

ロゼッタが開発した「塾考Z」は人工知能を活用し、日本語・英語・中国語・韓国語のオンライン自動翻訳を行う。人工知能が前後の文脈から判断することで、精度の高い翻訳を実現。過去に翻訳した文章はデータとして蓄積されるため、利用すればするほど翻訳の精度は高まる。

独自の言い回しや単語を学習させることで特殊な要求にも応えられるという。ここまでくれば、すでに一般的な翻訳家の能力に優っていると言っていいだろう。自動翻訳技術によって語学力の必要が低下すれば、世界中の人びとの交流はますます盛んになり、社会に与えるインパクトは計り知れない。

7. マーケター

Image title「ABEJA Platform」

勘とセンスに依存するマーケターの提案には、誰も耳を貸さなくなるかもしれない。それは、データが蓄積されやすいオンラインマーケティングだけでなく、小売店などオフラインマーケティングについても同じだ。

ディープラーニングの研究開発・実用化事業を行うABEJAが提供するクラウドサービス「ABEJA Platform」は、店舗にいる顧客の属性や行動を分析し、集客や購買行動につなげる、「リアル版Google Analytics」だ。

店舗に設置したカメラで撮影した映像から、人工知能が来客人数や年齢層、時間、立ち止まった場所、購入履歴などのデータをまとめて分析する。それを店舗の売り上げなど数値状況と照らし合わせるることで、販売を促進するために解決すべき課題を抽出する。

8. 組織マネジャー

Image title「Hitachi AI Technology/組織活性化支援サービス」

部下やチームのマネジメントは時間も労力も要するが、日立製作所がリリースした「Hitachi AI Technology/組織活性化支援サービス」は、同社の人工知能「Hitachi AI Technology」を活用して、従業員の幸福度を上げ、組織の活性化と生産性の向上を支援する。

名札型ウェアラブルセンサーで従業員の行動や身体運動の特徴やパターンを計測し、組織の活性度を可視化。それを踏まえ、「部下と短い会話を一日に8回以上行う」「割り込みされずにデスクワークに集中できる環境を作る」など、改善のためのアドバイスを人工知能が行ってくれる。

この技術によって組織が活性化し「マネジメント」の必要が小さくなれば、組織における役割は経営者とスペシャリストに二極化し、組織はよりコンパクトになるかもしれない。

9. プライベートバンカー

Image title「THEO」

資産運用をする上では、人間の感情の起伏というものが裏目に作用することがある。であれば、いっそのこと人工知能にまかせてしまったほうが、リスクを最小化し、リターンを最大化することができるかもしれない。

国内のいくつかのFinTechベンチャーが提供する「ロボアドバイザー」は、個々の資産状況やリスク許容度などを踏まえ、資産運用のゴール設定からそのための最適なポートフォリオの決定、証券取引所への発注、ポートフォリオのモニタリング、調整にいたるまで資産運用の全工程を自動化する。

ハイレベルな資産運用はこれまで、大量かつ変動し続ける金融情報をインプットし、分析するための時間と専門性を要するため、プライベートバンカーなど一部のプロフェッショナルをのぞいては障壁が高いものと思われてきた。しかし、人工知能技術の応用によってその裾野は広がるだろう。

10. 天気予報士

Image title「ゲリラ雷雨スカウター」

気象データ会社のウェザーニュースが開発した「ゲリラ雷雨スカウター」は、人工知能に雲の画像を解析させ、夏のゲリラ豪雨など予測がしにくい天気予報に役立てる。同社の「ウェザーニュースタッチ」アプリのいち機能として提供される。

スマホのカメラで雲を撮影するだけで、その雲が危険かどうかを人工知能が判断。また、雲の画像をサービス内でレポートすることで、人工知能が天気を予報する際に使用するビッグデータが追加され、予報の精度が高まる。

この技術が応用されれば、夏のゲリラ豪雨だけでなく、突然の竜巻や普段の天気にいたるまで、現在天気予報士が行っている業務を担うことができるようになるだろう。


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