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膨大なビックデータを持つ中国ーAIの取り組みを現地レポート(後編)

前編では中国AI開発の概要、特に良好なビッグデータ取得環境について紹介した。

今回は、AI・ロボットの各分野で注目企業がどのような取り組みをしているのかシンポジウムを通して紹介する。

シンポジウムでは中国、イギリス、カナダのAI研究者による研究や各企業によるAI開発事例の紹介が行われた。

Image title会場には多くの観衆が集まった

その中でも特に注目を集めていたのが、格安スマホで急成長を遂げた小米社(シャオミ)とドローン最大手DJI社によるスピーチ。今回はその注目企業2社の動向を紹介する。

小米(シャオミ) AI=製品+ビッグデータ+機械学習

主力製品であるスマホで一躍有名になったシャオミ社。創始者でありCEOの雷軍(レイ・ジュン)氏はGoogleの要素を持ったAmazonのような企業であり、さらにイノベーションを生み出していきたいと語っている。今月、深層学習を用いた顔認識技術の精度を比較するテストにおいて世界一になったと発表、同社のAIへのアプローチとはどんなものだろうか。

Image titleシンポジウムでは共同創業者の一人である黄江吉(ファン・ジャンジー)氏が登壇

黄江吉氏は

シャオミのAIへの観点は製品+ビッグデータ+機械学習であり、豊富な製品群がネットにつながることでデータ取得端末として機能し、取得した高質のデータが高精度のAIサービスを実現させる。良い製品は良いユーザーを引きつけ、良いユーザーは良いデータを提供してくれる。そのビッグデータを活用したAIによるフィードバックがさらに良い製品設計につながる。そのいい例が我々の顔認識写真アルバムだ。すでに会員は1.5億人になり写真データは500億になっている。この膨大なデータがより良いサービス開発につながっている。

と語る。

シャオミ社はスマホで市場を席巻しユーザーを獲得し、そのスマホ上で展開している独自サービスをうまく活用し膨大なデータ取得している。今回、世界一となった顔認識技術精度の比較テストにおける成果もまだまだ通過点のようだ。

さらに、黄江吉氏は

現在、人々がスマホを見たり、操作をする回数はまだまだ多い。本当のスマホというのは、AIが人々の作業量を減らし、”スマート化”させることだ。

とスマホの進化と人工知能の関わりについても語った。

スマホ市場の競争が激化し、販売台数が伸び悩んでいるシャオミ社は次の一手として強みであるデータ量を元にAIを活用し、新たなマーケットを創っていくようだ。

DJI 次世代人材を育てるロボット競技『Robo masters』

圧倒的スピードでドローン業界を牽引するドローン企業最大手DJI社同社CEOフランク・ワン氏が発起人となり、去年から進めているロボット競技『Robo masters』。シンポジウムでは副総裁である王帆(ワン・ファン)氏が登壇し、その取り組みについて語った。

Image title副総裁ワン・ファン氏が登壇

『Robo masters』は大学生を対象にした取り組みだ。優勝チームには約300万円の賞金と優秀なエンジニアを輩出している香港科技大学大学院への入学試験が免除される。

大会では、射撃・空中(ドローン)といった目的別にカテゴリが分かれ、チーム戦で競技を行う。日本のロボットコンテストと似た取り組みではあるものの規模感・知名度ともに中国が一歩先を進んでいるような印象を受けた。

王帆氏は

若きエンジニアがイノベーション精神を発揮し輝ける舞台であり、そんな彼らを見てより多くの若者がこの業界に飛び込んでもらうきっかけになってほしい。

と『Robo masters』開催への思いを語った。

大会を軸にロボットサマーキャンプ、敏腕エンジニアによるセミナー、学生エンジニアの交流活動などプロジェクトは多岐にわたる。現在は中国国内の取り組みだが、世界展開も視野に入っているようだ。ドローンであっという間に世界を席巻したDJI社、活動の場を広げますます今後の展開が楽しみだ。

前編はこちら。


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