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ずっとそばにいてくれるーー人工知能パーソナルトレーナー「Vi」

映画『her』では、ずっと自分のそばにいてくれる人工知能に恋する人間が描かれていた。そのような人工知能と人間の親密な関係が、まずは「パーソナルトレーニング」の分野で実現しつつあるーー。

ニューヨーク拠点のテクノロジー企業 LifeBEAM社が、同国のオーディオブランド Harman Kardon社と共同でウェアラブルデバイス「Vi」(ビィー)を開発。パーソナライズされた運動のコーチングを、リアルタイムで提供してくれる。

しかもこのVi、運動を「していない」ときもユーザーの状況をトラッキングするという。まさに「ずっとそばにいてくれる」のだ。

「走っている間、隣にずっとパーソナルコーチがいるようだった」

Viは耳に装着するイヤフォン型デバイスで、重さは43gと軽量。ユーザーの心拍数とHRV(心拍変動)を測定するバイオセンサーを搭載し、走ったり歩いたりする速度、現在位置もトラッキングする。

心拍変動とは、心臓が鼓動を打つペースのばらつきのこと。つまり、Viはユーザーにかかっているストレスレベルを把握した上で、適度な運動のコーチングを提供してくれるのだ。

センサーデータを人工知能とクラウドに連携することで、スマートフォンのアプリ上でパーソナライズされたトレーニングの設計が可能になる。

「心拍数をもう少し上げられるよう、走るペースを上げていきましょう」、「目標走行距離まであと100m、自己ベストタイム更新のためにダッシュで終えましょう」といった具合に、アドバイスを音声で伝えてくれる。

逆にユーザー側から、「Vi、私の心拍数は今どうなっている?」など質問し、Viがそれに応えるかたちで自分の状態をリアルタイムで知ることも可能だ。

実際に試したユーザーからは、

走っている間、隣にずっとパーソナルコーチがついてくれているようだった

などの評価が聞かれた。

運動「していない」ときもトラッキング   理想のトレーニングを設計

Viの特長の一つは、運動「していない」ときもユーザーをトラッキングすること。

Viは、イヤフォンを装着していないときの疲労度や睡眠の質をモニタリングし、ユーザーのコンディションを把握。その日の体調に合わせたベストなトレーニングを設計してくれる。

また、運動のコーチング以外の機能も充実している。例えば運動中に電話がかかってきた場合にはハンズフリーで会話も可能。テキストベースのメールの返信もViに音声で依頼できる。運動中の音楽再生も可能だ。

Viは、現段階ではランニングニーズに対応するにとどまっているが、LifeBEAM社によれば、今後はその他のトレーニングにも適応される予定だ。

従来のフィットネス目的のウェアラブルデバイスの多くは、音声でコーチングしてくれたとしても、その内容がユーザーに個人に最適化されてはいなかった。ジムでコーチをつけずとも、人工知能が自分のコーチになってくれる時代ももうすぐのようだ。


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