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人工知能がWebサイト制作を自動化 Wix新サービスに見る仕事の未来

同じデザインのウェブサイトは存在しない

世界で8600万人のユーザーを抱えるWebサイト制作アプリの「Wix」が、人工知能を活用してサイトのデザイン・制作をより自動化する新しいサービス「Wix ADI」を発表した。

紹介動画によれば、Wixのサイトで企業やブランドの名称と、業種を入力し、いくつかのシンプルな質問に回答すれば、ユーザーに最適なデザインテンプレートを提案してくれる。

テンプレートといっても、パーツやフォント、色などの選択肢は無数にあり、すべて組み合わせると選択肢は数十億にものぼる。同じデザインの組み合わせが存在しないのが売りだという。

Wix ADIチームのヘッドであるニトザン・アクシャフ氏は同社のブログで、

Wix ADiは単なる新しいWebサイトビルダーではない。Webデザイン業界に新しいマーケットスタンダードをもたらすものだ

と述べている。

Wix ADIは、先日アメリカ・ニューヨークで開催された同社のユーザーイベントでライブデモが公開されたのみ。正式なローンチは数ヶ月以内を予定している。

データに基づいた試行錯誤の仕事が置き換えられていく

以前、『Catalyst』では人工知能の第一人者である松尾豊氏を取材。同氏は過去に、Webデザイナーは人工知能にもっとも早く置き換えられてしまう職種の一つだと指摘していた。

その理由は、仮にサイトの目的が顧客獲得だった場合、それに適う最適なデザインというものは、「データに基づいた試行錯誤」によって設計が可能だからだ。

データに基づいた試行錯誤は、短時間で多くのデータを扱えるコンピュータの得意とするところ。しかし人間がそれをやろうとした場合、頭の中で組み合わせ爆発を起こしてしまうのだ。

今回のWix ADIの登場は、Webデザイナーにかぎらず、データに基づいた試行錯誤が求められる仕事が人工知能に置き換えられてしまうことを象徴する出来事である。

だとすれば、Web関連では実作業だけを切り出して担う、SEOコンサルタントやWeb広告プランナーの仕事も置き換えられてしまう可能性がある。

松尾氏は、データに基づいた試行錯誤と対比して、これからも人が担うのは「大局的な判断」が求められる仕事と語っていた。つまり、数少ないデータから解を導き出す質の仕事である。

例えば、企業の経営もそれに含まれる。優れた経営者の多くが「歴史に学ぶ」ことを大切にしているのも、大局的な判断が求められるためである。

今就いている仕事のうち、データに基づいた試行錯誤が求められる部分とそうでない部分はどこか。そのように仕事を要素分解してみるのは、キャリアを設計をする上で有効かもしれない。

松尾豊氏のインタビュー記事はこちら

価値観を変えるシゲキメディア

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