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なにわのドローン集団「AGL」が描くドローンの未来と可能性(後編)

歯科医を本業としながら、趣味だったドローン自作がエスカレートし、ドローン会社AeroG Labo(AGL)を設立した谷紳一さん。

ドローンの可能性を広げるため、単なる空撮会社でもなく、単なるドローン組み立て業者でもない、新しい形のドローンビジネスを模索中だ。

ドローンへの情熱を燃やす谷さんを慕い集まってきた仲間も多い。これまでの仕事を辞めAGLに専属で入ったひともいれば、本業の合間を縫って手伝ってくれるひとまでさまざまだ。

ドローンへの情熱、そしてドローン会社設立の経緯について聞いた前編

後編となる今回は、谷さんを慕い集まってきた仲間が考えるドローンの可能性とAGLの未来について語ってもらった。

気心の知れた仲間と開拓するドローンの未来

ー今日は谷さんのほかに3人の方がいらっしゃいますね。

谷:はい。今月から正式にAGLの社員になっていただいた谷所さん、先程話した映像集団「G Project」のメンバーの谷本さん、もう1人はこれから協力して一緒に事業を進めていきたいと思っている関西テレビの永井さんです。

Image title左から谷所さん、谷さん、谷本さん

谷所さんはちゃんとした会社に勤めていたのに、僕が引きずり込んでしまって。本当に奇特な方なんです。

ーみなさんはどのようなきっかけで出会ったのですか。

谷:実は谷所さんは、大学時代の軽音仲間なんです。僕がドラムで、彼はベース。

Image title作業場には電子ドラムが置いてある。

ー大学時代から付き合いがあるんですね。

谷所:個人的にはずっと付き合いがあって、何年か前からラジコンに凝っているというのは聞いてました。凝り性なのは昔から知ってるし(笑)

ただ、ここまでハマってるとは思わなかったです。今年の初めくらいに、たまたま用事があってここに来たら、このありさまで(笑)

そのときこれは本気やなと思ったんです。

僕もガジェットが昔から好きやし、ドローンは可能性のあるテクノロジーやと思ったので、本腰を入れて谷さんのお手伝いができたらなと。

ー昔からの仲間だから、どのような人間かも分かっている。

谷所:気心が知れているからやりやすいという部分は確かにありますね。ビジネス面では利害が対立することもあるので、難しいのかもしれないですけど。

個人的な人間関係がベースにあるので、良くも悪くもビジネスで割り切ってどうのという話にはなりにくいと思います。

谷さんはみんなでわいわい楽しくやりたいというのが基本にあるんです。まあ、それが商売につながっていくこともありますからね。

谷:昔から知っているから信用してます。彼の場合ちゃんとした会社に勤めてたのに、、

谷所:(AGLに雇う)決め手はなんやというとベースがうまいかららしいんです(笑)

ーベースがうまいからですか(笑)

谷:でもそれはあると思うんです。決められたポジションで、役割を果たしてパフォーマンスを出せるというのはスポーツでも音楽でもビジネスでも同じやと思うんです。

谷本:僕は映像部門でカメラとか編集に特化してやらせてもらってます。だから、お客さんでこういう映像が撮りたいという要望があれば、カメラとか映像の観点からこんなドローンはどうですかって提案できると思います。

これだけいろんなひとが集まってくると、提案できることも増えてきます。

谷:彼(谷本さん)なんかドローンレースしよ、ドローンレースしよ。AGL杯しよってうるさいんですよ(笑)

谷本:ドローンレースって技術がいるんだろうな、と勝手に想像してるんです。空撮ではオペレーションうまくないと狙った映像って撮れないと思うんですよ。だからドローンレースは技術の習得スピードを上げるのに大事なんじゃないかと。

谷:趣味でやっていたら確実にドローンレースもしてますけど、いまは手を出す暇がないです。

ー先日神戸でドローンレースが開催されていましたが。

谷:知ってましたけど、行ってないですね。そっちに手を伸ばすと・・・。でも趣味としては早くやってみたいです。

放送業界が求めるドローンのニーズとは?

ー永井さんは放送局の立場から関わっておられるわけですが、放送業界からするとやはり、ドローンは空撮の領域で期待されているのですか。

Image title大学時代の友人永井さん、映像のスペシャリスト谷本さん

永井:もちろん空撮も重要なんですが、ほかにどんな使い方ができるのかに興味がありますね。

ドローンは汎用性が高いので、ほかのテクノロジーと融合させてなにかできないかと。

空撮でもVRとかARとかうまく組み合わせると、ビジネスとして成り立つものができるかもしれないですし。

ーなるほど。放送業界では空撮以外でのドローンの活用を探っていると。ドローンの可能性をAGLで見出そうということですね。

例えば、DJIのPhantomやInspireでは放送用としては物足りない部分があるんですよ。でもだからといってカスタマイズしたもので空撮すると、収支的に合わない。

報道取材でも、安全性の問題をクリアできてないので現状では難しいと思います。混乱している現場でドローンを飛ばせるのかという問題です。

だから、そういうところに特化して事業をやるのはリスクが高いと思っています。

一方で、例えばスポーツ中継用などで、放送用のクオリティで撮影可能なドローンなんかはありだと思います。VR、AR、IoTなど既存テクノロジーを組み合わせて、統合された1つのシステムにできれば、放送業界のいろいろなニーズを満たせるはずです。

ー放送業界の詳しいニーズを知ることができるのは、AGLにとって大きな強みですね。

永井:あと、事業化しやすいという意味では、防災ドローンというものも可能性があると思っています。

地域ごとに災害の特性って違うんですよね。ここは大雨、土砂災害、ここは津波とか。そういう個別のニーズに合わせてドローンをカスタマイズしていく。

AGLならオリジナルのドローンを作ることもできますし。

防災分野は産学連携も視野に入れて、いろんな可能性を探っているところです。今後事業の中でかなりの部分を占めていくのではと思ってます。

谷:いまは、企業の実験協力、大学の研究、テレビ局とのコラボだけじゃなく、大阪大学工学部と産学連携の共同プロジェクトをやったり、いろいろトライしているところです。

どこから芽が出てくるかわかりませんが、とにかくあちこちに種をまかないことには始まらないんで。

歯医者もドローンも本業なんで、歯は抜きますが手は抜きません。虫歯と睡眠時間を削りながら頑張ります(笑)

ー谷さん率いるドローン集団「AGL」がどのようにドローンの未来を切り開くのかすごく楽しみですね。これからも注目したいと思います。本日はありがとうございました。

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