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「仲間とおもろいことがしたい」 歯医者が率いるなにわのドローン集団「AGL」(前編)

大阪に歯科医を本業としながら、ドローンにどっぷりとはまってしまい、本業に迫る勢いで活動しているひとがいると聞き、『Catalyst』取材班はその真相を確かめるべく大阪府箕面市に向かった。

閑静な住宅街に突如現れた「AGL」とロゴの入ったガレージと巨大なアメ車ハマー。

Image title

ここが関西屈指のドローン集団「AGL」の本拠地だ。AGLは、AERO G LABの略。歯科医である谷紳一さんが大学時代の仲間と2012年に10月に設立した会社だ。

関西のドローンシーンを盛り上げるべく、地域に密着しさまざまな活動を行っているという。

いったい彼らはどのような活動を行っているのだろうか。

前編となる今回はAGL代表の谷さんに、歯医者でありながらドローンの会社を設立しようと思った背景、そして今後どのようなことを計画しているのか聞いた。

大阪弁でドローンを語る歯医者パイロット

ー本日はよろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。

Image titleAGL代表の谷さん

ー歯科医をしながらドローンの会社を立ち上げたということですが、どのような経緯だったのでしょうか。

もともとラジコンのファンで、グライダー、飛行機、ヘリとか趣味でやってたんです。メカが大好きでね。10年前くらいにトイザラスで買ったラジコンがきっかけでどんどんはまっていったんです。

ラジコンやってるひとは分かると思うんですけど、自作するのが基本なんですね。

その自作がだんだんエスカレートしていって、診療時間中に一人の患者さんの治療が終わったら、次の患者さんまでの時間、合間を見てはラジコンを組み立てるみたいなことをしてたんです。

自作用のパッケージが届くと、休みの日まで待ってられない(笑)

ーなるほど、それはすごいはまり様ですね(笑)

そうしているうちに、ヘリとか飛行機から見える景色ってどんなんかなと気になり始めて。

それで7年前くらいにヘリにカメラを積み始めました。

ー7年前にラジコンを使って空撮ですか。すごいですね。

でも、当時はジンバル(カメラ安定装置)がなかったのと、今みたいに機体を自動で制御できないので難しかったです。完全手動だから、だれかに話しかけられて手を止めたりしたら、落とすんです。

これじゃ空撮なんかできひんなと。グライダーだとカメラは大きいのが積めへんし、ヘリは落ちるし。

それで5年前くらいに、マルチローターヘリの組み立てキットをドイツの会社が売っているのを見て、これならいけるんちゃうかと思ったんです。まだドローンって言葉が使われてない時代で、マルチローターヘリって呼ばれてました。

当時完成品は1000万円超えてたんですけど、バラバラの組み立てキットなら10分の1くらいの値段で買うことができたんです。

ー1000万円ですか。ホビーの域を超えてますね。

そうなんです。

作るのもけっこう大変で、飛ばせるまで半年くらいかかりました。

それが飛んだとき、すごく感動して。安定して飛んでるんですよ!

それで仲間を集めて、マルチローターヘリにハンディーカムとか載せて、映像を撮り始めたんです。

映像を撮ってるうちに、映像業界のひとにもおもしろいと思ってもらえるようになって。

初めて空撮の仕事をしたときは、仲間みんなですごい盛り上がりました。

これがきっかけでドローンの会社を設立しようと決心したんです。

ーなるほど。5年前だとまだ日本でドローンを飛ばしているひとはいなかったですよね。

もしかすると日本でドローンを飛ばしたのは僕が初めてちゃうかなとも思ってます。

ードローンのパイオニアですね。AGLでは空撮をメインにされているのですか。

Image title大阪のあるオフィス兼ラボ ここでドローンを自作している。

実際、空撮の会社という認識はあまりないんです。

で、なにがメインなのかというと、分からない。(笑)

ドローン関連のネットショップもしてるし、オリジナルドローンの開発もしてるし。

ただ空撮だけではビジネスとして成り立たないということが分かってきました。

リスクとリワードが見合わないんで、どちらかというとドローンのデベロッパーになっていきたいという気持ちはあります。

僕は阪大出身で、阪大の工学部とかもつながりがあるので、そういうのをアドバンテージにして産学連携で開発していきたいとも思ってます。

とにかくいまはいろいろと模索しているところです。

ただ、お金にはならなくても、最先端の映像を撮りたいという気持ちはあります。

そもそもドローンにはまったのは、自分で撮った映像に衝撃を受けたからからなんで。いまはもう撮れないですけど、当時箕面の滝も撮りました。通報されましたけど(笑)

きれいな映像が撮れるとうれしいし、映像をやっていると最先端のハードやシステムなど、テクニカルな部分もアップデートできるので、続けていきたいですね。

あとは新しいメンバーが来て、会社をどう進化させてくれるか期待したいです。

ーAGLにはいま何名のメンバーがいるのですか。

社員は僕を含めて3人です(笑)

パイロット兼メカ担当が1人、それから今月から主に営業や渉外担当として加わってくれる谷所さん、そして僕。

他に、協力関係にある放送局の社員で、アドバイザー的な立場で関わってくれてる方もいます。

もともと空撮からスタートした会社なんで、なにかかっこいい映像撮りたいと、映像のスペシャリストを集めて「G Project」というグループも立ち上げました。

ー歯医者とどちらが本業なのか分からないですね。

どっちも本業なんです。

診療所での仕事が終わったらここに来てドローンを組みてるというサイクルなんで、睡眠時間は毎日3時間くらい。かれこれ3年くらい休んでないです。

でも僕を信用して集まってくれる仲間とワイワイ一緒にできるのは楽しいし、彼らとドローンで新しい分野を切り開いていきたいと思います。

後半は谷さんを慕って集まってきたメンバーたちも加わり、AGLが考えるドローンの可能性、そしてドローンを使って何を目指すのかを語る。

価値観を変えるシゲキメディア

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